酒造好適米って何? 日本酒の原料の米について
日本酒って何から造られてるの?
日本酒は主に「米」と「水」によって造られています。
今回は日本酒造りの主な原料、「米」について話していきますね。
酒造業界ではお酒が造りやすい米のことを「酒造好適米」と呼んでいます
。
それでは詳しく解説していきます。
酒造好適米について
酒造業界ではお酒が造りやすい米のことを「酒造好適米」と呼び好んで使っています。
またそれ以外の米の事は「一般米」と称して区別しています。
「酒造好適米」とは以下の特徴をかねそろえたお米です。
①心白の割合が大きいこと。
心白は米粒中心に見られる白色不透明な部分のことです。
②大粒の米であること。
大粒の米であれば「心白」も充実した米になりやすく、大粒な米は高精白にも向いています。
③タンパク質、脂肪が少ないこと。
タンパク質や脂肪がお米の中に多いと、できあがったお酒に雑味が生まれやすく、劣化ににつながるといわれています。
④軟質米で精米中に砕けにくいこと。
軟質米だと、もろみや酒母の中で溶けやすく使いやすいです。また砕けやすい米は、胚芽や表面に多いタンパク質や灰分が混ざってしまうので雑味につながります。
以上の特徴のあるお米は、
・お米の蒸しが簡単。
・良い蒸米ができる。
・麹菌が適度に繁殖しやすいので麹造りが容易。
・お米がよく溶けお酒になりやすい。
これらのことからお酒造りにおいて好んで使われています。
酒造好適米の種類
酒造好適米にはいろいろな種類があります。生産量の多い上位5種類(H26年次)は
1位 山田錦
2位 五百万石
3位 美山錦
4位 雄町
5位 出羽燦々
になっています。
山田錦
1923年に兵庫県で「山田穂」と「短稈渡船」の交配によって誕生し、1936年に命名されたお米です。
生産量は酒造好適米の中でも群を抜いている、味のよさ使いやすさも抜群の酒造好適米の王様です。
麹が造りやすく、高精米にも向き、奥行きのある芳醇なお酒にしあがります。
山田錦で造られたお酒をきき酒しています。参考にどうぞ。
五百万石
1938年に新潟県の農業試験場で生まれ、1957年に新潟県産米が500万石を突破したことを記念に命名されたお米です。
早生品種で大粒で心白がある。麹が造りやすく米質はやや硬く溶けにくい。
淡麗で爽やかな酒質になりやすい。
五百万石で造られたお酒をきき酒しています。参考にどうぞ。
美山錦
1978年に長野県の農場試験場で「たかね錦」の種籾にγ線を照射して生まれた突然変異種。
大粒で豊満、心白発現率もよいお米です。
美山錦で造られたお酒をきき酒しています。参考にどうぞ。
雄町
岡山県で発見されたお米で大粒で心白も大きい。適度なうま味のあるお酒になる。酒質にまろみが有り、秋上がりするといわれています。
雄町で造られたお酒をきき酒しています。参考にどうぞ。
出羽燦々
1985年に「美山錦」と「華吹雪」を交配させて作られたお米です。あじわいは柔らかで幅のある味になる様です。
まとめ
お酒の原料の米でもいろいろな種類があるんだね。
酒造好適米だけで100種類以上、45都道府県で作られています。
酒造好適米の特徴として高精白に適した米が多いですが、最近では純米酒で精米歩合が80~90%の低精白の米を用いたお酒も生まれています。うま味の多い味わい豊かなお酒にしあがります。
米は製品へ直接移行するような特徴的な香りは少ないです。
清酒の製造工程は複雑で工程管理が酒質の良否に直接影響するため、酒造用の米の良否の判定は工程管理のしやすい米であるか、そうでないかが基準になってきます。
酒造好適米もいろいろあるのでいろいろな種類を飲み比べてみるのも面白いと思います。
前回は特定名称酒について勉強しています。参考にどうぞ
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